きゅうり栽培ワンポイントアドバイス
※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
昔は嫌われ者だった!?きゅうりの歴史
ウリ科キュウリ属の一年草の「きゅうり」は、現在食用として使われる部分は実は「未熟な実」で、かつては完熟した黄色い実を食用として用いていた時期もあったそうですが、甘みが薄いためにあまり好まれず、現在のスタイルに落ち着いたそうです。
ルーツはかなり古く、かつてメソポタミア文明ですでに食用の野菜として栽培されていたそうです。日本には中国経由で平安時代に伝来しており、漢字で「黄瓜(木瓜)」と書いていたのがそのまま現代でも使われる読み方につながっています。
ただし現代食べられているものは品種改良を重ねた結果の物で、昔から愛されていたわけではありませんでした。特に江戸時代では栄養価が低い、苦い等の理由で数々の著名人が名指しで批判しており、不人気な野菜でした。現在の地位を確立したのは品種改良が進んだ明治以降になります。
きゅうりの種類
中国出身の「華北型」「華南型」、ヨーロッパ系の「英国温室型」「スライス型」「ピックル型」の大きく5タイプに分かれます。ここでは現在主流の華北型・華南型を中心に紹介します。味や用途、育てやすさなどで選びましょう。
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■ 白いぼきゅうり
流通の約90%を占めるきゅうりが華北型の「白いぼきゅうり」です。その名の通りいぼが白く、全体が緑色です。皮が薄いため歯切れが良く、見た目も良いので消費者受けが良く、現在の地位を築き上げました。何の料理にでも使えるので、とりあえずきゅうり作りたいな、という方ならコレでしょうか。品種数も多いので、用途によって選びやすいのも特徴です。
■ 黒いぼきゅうり
とげが黒い華南系のきゅうり。(画像は黒いぼきゅうりの「相模半白胡瓜」)。かつては主流だったのですが、そのゴツゴツした見た目から白いぼに王座を奪われてしまいました。白いぼより若干短く太い品種が多い。皮は厚く、肉質は柔らかいのが特徴です。きゅうり本来の味わいを楽しみたいなら是非こちらを育ててみましょう。
■ 四葉きゅうり
華北系の品種で「四葉(スーヨー)」と読みます。(画像は四葉系の「四川きゅうり」)。通常の白いぼより1.5倍ほど細長く、ゴーヤを細くしたような見た目です。皮が薄く歯切れが良く、風味も良い。なのになぜスーパーで売ってないのか?というとキズが付きやすく日持ちが悪い、というデメリットのため。そう、家庭菜園なら何の問題もありません。是非挑戦してみましょう。
■ 加賀太きゅうり
石川県伝統の加賀野菜きゅうり版。加賀野菜の例にもれず、とにかく太く、とてもきゅうりには見えません。もちろん皮は厚く、肉もとても締まっており、独特の風合いがあります。品種は少なく手に入りにくかもしれません。
■ ミニきゅうり
一言でミニキュウリと言っても様々なサイズや品種がありますが、総じて病気に強く育てやすい、といった特徴は他のミニサイズ野菜と同じ特徴をもっています。初心者で自信が無い方やベランダでスペースが限られている方は是非ミニキュウリから始めてみましょう。
ブルームとブルームレス
ブルームはきゅうりやぶどうに見られる、果実をうっすら覆っている白い粉状の物質のこと。本来きゅうりはブルームがある物ですが、特定のカボチャの台木に接ぎ木することにより、ブルームのない(ブルームレス)、ピカピカのきゅうりを作ることが出来ます。市場に流れるきゅうりはほとんどこのブルームレスとなっていますが、苦みや味も若干違うので、本来のきゅうりであるブルームきゅうりを見直す動きも出てきています。
左がブルームきゅうり、右がブルームレスきゅうり
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「成り型」について
きゅうりには雌花の付き方によって「成り型」の違いがあり、大きく分けると
「節なり性」、「飛び節なり性(地這性)」の2種類があります。
1.節なり性…雌花が各節に付く
2.飛び節なり性…飛び飛びに雌花が付く
さらにそこから細分化すると「親づる型」「子づる型」などのタイプがありますが、初心者やプランターで栽培したい方は、難しく考えずに子づるや親づるを伸ばさなくても親づるに実がなる「節なり性親づる型」を選びましょう。コンパクトに収まるのでおすすめです。
病害虫について
ゴーヤは病害虫に比較的強い野菜なので育てやすいのですが、だからと言って油断は禁物です。暑さには強いのですが反面寒さには弱い、乾燥にも弱いなど注意すべきポイントは多々あります。
■うどんこ病
葉の表面に白いうどん粉のようなカビが出てくる症状。露地栽培で乾燥気味の状態、葉茎が密集状態にあるとおこりやすくなります。木酢液などで予防することが出来ますが、発生の際は薬剤か除去することになります。
うどんこ病に感染したカボチャの葉
■べと病
葉に黄褐色の斑点ができ、最終的に破れてしまう病気で、レタスなどと違い比較的高温時に発生します。露地栽培の場合に良く発生します。カビの一種なので水はけを良くすることが一番の対策ですが、薬剤での対策も可能です。
■アブラムシ
発生すると大量に繁殖し植物が弱ると同時に病気にかかりやすくなります。どんどん増えていくので、みつけたら薬剤などで即駆除しましょう。また、予防のために肥料をやりすぎないこと、水分を十分に与え乾きすぎないことがポイントです。
■ウリハムシ
発生すると葉を食べ円形にくり抜かれたような穴が空いてしまいます。一度発生するとどんどん増えていくので、薬剤で対処すること、それ以前に飛来をさせない予防策が大切です。