ナス栽培ワンポイントアドバイス
※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
古くから愛されてきたナスの歴史
ナス科ナス属の一年草で、熱帯の地域では多年草として育てられている「ナス」。原産はインド説が現在有力で、日本にも奈良時代の文献でその表記が見られるほど歴史が古く、日本人の歴史に根付いた野菜と言うことが出来ます。ヨーロッパでは伝わったのが遅かったこともあり、あまりメジャーな野菜ではないそうです。ちなみに英語では「エッグプランツ(卵野菜)」と言いますが、なぜ卵かというとアメリカで流通しているナスは「白い」ものがほとんどだから、だそうです。
ナスの種類
世界では1,000以上、日本だけでも200近い品種数があり、様々な大きさ・形がありますが、日本では「中長ナス」と呼ばれるタイプが主流を占めています。他にも細長い「長ナス」ミニサイズの「丸ナス」などのタイプがあります。
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■ 中長ナス
市場に一番多く出回っており、スーパーで見かけるのはこのタイプがほとんどです。長卵形で15cm前後、揚げ物や煮物など様々な調理法とも相性が良い。品種数も抜群に多いので初心者はまずこのタイプの中から地域や育て方など自分に合ったタイプの品種を探してみましょう。
■ 長ナス
20cm以上の細長いナス。皮は少し硬いのですが、肉質は柔らかく、焼きもの炒め物、煮物などこちらも用途は幅広いのが特徴です。こちらも品種数は多く、色々と選べるので栽培難易度は中長ナスより若干上、と言った所でしょうか。
■ 丸ナス
まん丸いボール状のナス。皮も果肉も柔らかく、漬け物向きですが、煮くずれしやすいわけではないので揚げ物など加熱調理にも対応できます。収穫タイミングが分かりにくかったりなど、難易度はやや高めの模様です。
■ 水ナス
こちらもまん丸くツヤツヤのナスですが、水分がとても多く、手で握ると水がしたたり落ちるほど。皮・果肉ともに柔らかく、ほのかに甘みがあるので主に漬け物など生食に使われるそうです。こちらは水分管理が難しく、難易度少し高めです。
■ 九州では割と見かけます
40cmを超える大長ナス。画像でわかりにくいですが、通常のナスのなんと2〜3倍あります。九州では古くから栽培され、割とそこらのスーパーでも見かけたりします。肉質は長ナスと同様、加熱調理と相性が良いそうです。大きさの割りに意外と育てやすい!?みたいなので満足感を得たい方は育ててみては!?
■ 米ナス – 米国ナスの略です
卵形の大型ナス。ヘタが緑色なのがわかりやすい特徴。画像からはわかりにくいのですが、通常のナスの2〜3倍あります。肉質は硬く、食べ応えがあり、加熱調理向き。ちなみに米ナスの「米」はアメリカ生まれ、ということ。
京の伝統野菜「賀茂野菜」の一種で丸ナスの一種。画像では小さく見えますが米ナスがデカいだけで、賀茂ナスも結構な大きさです。肉質は繊細で歯ごたえが良く、甘みがあり絶品と評判。ご当地では味噌田楽でいただくそう。自らの葉が当たっただけで実が傷つくほどの繊細な心の持ち主。栽培も結構な繊細さが必要なので家庭菜園マスターを自負する方はぜひ。
長なすをそのまま黄緑色にしたようなナス。東南アジア諸国では一般的に出回っている品種です。皮は若干硬く、果肉は旨みがあり通常のナスと比べると濃い味が楽しめます。ちなみに、色が緑なのはナス特有の成分「ナスニン」が含まれていないため。「ナスニン」は活性酸素を抑え、ガンの発生を抑える効果があるそうで…少し残念ですね。
■ 少しオシャレなヨーロッパなす
上記の画像のホワイトベルも白ナスの一種です。ヨーロッパ系の品種で実も中身も真っ白なのが特徴です。皮が通常のナスに比べ少し硬く、洋風の加熱料理に良く合います。ちなみに、肌の色が白いのはやはり「ナスニン」が含まれていないためだそうで…
■ オリーブオイルが良く合う
一言でイタリアンナスと言っても上記のロッソビアンコやフェアリーテールなど様々な種類があり、全てを網羅する事は出来ませんが、色や形もあまり見かけない物が多く、見た目から楽しませてくれます。また、味わい・食感もイタリアンレストランでしか味わえない様なものも多い。中級者以上のナス栽培歴をお持ちの方はイタリアンなナスに挑戦してみましょう。
秋茄子は嫁に食わすな、の真実
「秋茄子は嫁に食わすな」という言い回しがあるほど美味しい秋ナス。例えとは言えちょっとかわいそう、嫁姑の確執は昔からあったんだな…と色々思いをめぐらせてしまいますが、実はナスには体を冷やす効果があると言われ、嫁を気遣っての言葉だ、という説もあるそう。他にも嫁は夜目(ネズミ)のことであるという説もあり、結局明確な意味は分かっていないそうです。ただ一つ分かっていることは、「秋茄子はおいしい」ということです。
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病害虫について
ナスは収穫期間が長いため、様々な病害虫の対策が必要です。また、高温多湿を好み肥料多めの状態が望ましいのですが、度が過ぎるとこれも病害虫の原因となります。
■青枯れ病
頭頂部の葉から日中しおれる・夜間回復、を繰り返し、最終的には青いまま枯れてしまう病気。高温乾燥時におこりやすい。対策が施された接ぎ木を使うなどで対策し、もし発生したら薬剤で対処しましょう。
■うどんこ病
葉の表面に白いうどん粉のようなカビが出てくる症状。露地栽培で乾燥気味の状態、葉茎が密集状態にあるとおこりやすくなります。木酢液などで予防することが出来ますが、発生の際は薬剤か除去することになります。
うどんこ病に感染したカボチャの葉
■アブラムシ
発生すると大量に繁殖し植物が弱ると同時に病気にかかりやすくなります。どんどん増えていくので、みつけたら薬剤などで即駆除しましょう。また、予防のために肥料をやりすぎないこと、水分を十分に与え乾きすぎないことがポイントです。
■ハダニ
葉の裏側に寄生し、樹液を吸うためその部分が白くなってしまい、放っておくと株が枯れてしまいます。こちらもどんどん増えていきますが、非常に小さいので捕まえるのは難しいと思います。見つけたら薬剤などで即駆除しましょう。