さつまいも栽培の手引き【植え付け時期から収穫まで】
※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
さつまいもの育て方
1. サツマイモ苗の植え付け時期
植え付けは、霜の危険がなくなり、平均気温が18℃以上で、地温15℃以上になったころ(5月上旬〜6月下旬)に行ないます。条件がよければ3~5日で活着します。苗の活着には土壌水分が必要なので、うねが乾いている場合は植え付け後に水やりをします。
植え付けの様子
さつまいもは作物の中では、 連作障害が起きにくく、乾燥に強い 作物ですが、水はけが悪い場所で、長雨などで冠水してしまうと枯死する場合もあります。畑作の場合はマルチを利用すると イモの肥大や食味の向上 が期待でき、雑草の防除や収穫時の蔓はがし作業が容易になります。
マルチは定植後発根・活着の促進に高い効果があります
定植後、新聞紙などで苗を覆うと活着がよくなる(強い直射日光を防ぐ)
■ 苗と植え付け方法
販売されている苗(ツル)を買うか、メリクロン苗(ウィルスフリー苗)と呼ばれるポット苗を購入して大きめの鉢に植え替え、本葉7~8枚の時に中心の葉を摘み取って、節からツルを出させた上で、8節以上伸びたら切り取って植え付ける方法があります(1ポットから7~8本のツルが取れる)。
切り口に近い2~3節から根がもっとも塊根(イモ)をつけやすいので、必ず2~3節は土中に埋め込みます。節を埋め込まないと吸収根ばかりとなりイモができません。各節の葉は葉身を必ず外に出すように植えるようにしましょう。深さ5~10㎝の溝を切って、苗を水平にして植え付ける「水平植え」と呼ばれる方法が一般的です。
畑作ならマルチが重要!!
ポイント
1.生育初期の生育初期の地温が確保出来る!
2.雑草防止雑草防止、乾燥防止で乾燥防止で育成を促進し、収穫量収穫量アップ!
3.不定根の抑制
さつまいもは節間から出る根(不定根といいます)が肥大して「いも」になります。つるが成長してくると不定根が増え、いもの総数が増えたり、茎葉が過繁茂になることなどにより、総じて総じていもが小さくなります。
伸びたつるは定期的に持ち上げてひっくり返します(つる返しと言います。)
不定根を切ってやることが収穫量を収穫量をアップさせるのに重要です!
2. サツマイモの栽培管理
■ サツマイモの生育
■ 植え付け後の管理
植え付け後、根は伸びますがツルの生育は遅いため、1カ月は除草を行います。生育が進めばつるが這い地面を覆うので雑草もあまり発生しません。追肥は基本的に行いませんが、7~8月に葉が黄色くなってきた時は、追肥するとよいでしょう。
つる返し
夏から秋にかけてつるを上に持ち上げてひっくり返し、つるの節から出た根を切る作業。現在の品種は、節の根がイモになることはないので特に必要ありません。
生育途中
3. 収穫と貯蔵
本格的に塊根が肥大するのは7〜10月になります。肥大期には 日照が多く、乾燥気味 になった方が、デンプンがよく蓄積されおいしいイモになります。
植え付け後、 120~140日程度で収穫となります。収穫が早すぎると食味が悪く、遅すぎると塊根(イモ)の形が乱れるので、適期に収穫(掘り取り)します。霜にあたったサツマイモは腐敗や貯蔵性が劣ることから、初霜前には収穫を終えるようにします。晴天の日を選び、しばらく乾燥させてから貯蔵します。
■イモの貯蔵
収穫直後よりも 2、3週間貯蔵したイモのほうが、 甘みが増しておいしくなります。適温は13℃で、10℃以下では低温障害を受けます、湿度は90~95%、貯蔵中はイモに風を直接当てないようにします。イモは寒さに弱いため量が多い場合は、穴貯蔵を行うと春まで貯蔵できます。少量であれば床下や室内に、発泡スチロールなどに入れて保存します。その際、穴をあけて空気を流通させるようにします。
つるぼけ
茎葉ばかりが生育して、イモが十分に育たないのがつるぼけになります。主な発生要因は
①生育前期に曇雨天が続くこと
②畑の水はけが悪いこと
③前作の肥料分が多く残っていること
④耐肥性の劣る品種を栽培すること
などになります。そのためチッソ肥料を控えることが基本とされていますが、生育のために養分が少なくてすむということではなく、反対にサツマイモの養水分の吸収力が強いためにおこります。つるぼけしたイモは、デンプンが少なく、粘質で食味が劣ります。
情報提供元:タキイ種苗