エンドウマメ栽培の手引き【種まき・植え付けから収穫まで】
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えんどう豆の種まき・植え付けから収穫まで、それぞれの時期や栽培方法を図解付きで詳しく解説します。
※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
エンドウマメ栽培の手引き
1. 種まき
■ 植え付け時期を決めよう
まず開花から収穫期までが、できるだけ長く適温期間になるように種まきする時期を決めます。秋まき栽培で種を蒔くタイミングが早いと厳冬期まで生育が進みすぎてしまい寒さによる障害が、反対に遅いと初夏の気温(25℃以上)が高くなって急につるが枯れ上り、収穫時期が短くなってしまいます。
発芽適温 15~20℃前後
※発芽は4℃以上ではじまる。10℃程度の低温でも発芽日数は長くなるが比較的発芽率は高い
エンドウをはじめマメ類のタネを水に浸してから蒔くと、急激な吸収によって種皮が破れて発芽を損ねる場合があります。水に浸さずタネをまくようにしましょう。
■ 種をまこう
エンドウは気温の低下する秋に播種し、耐寒性の強い幼苗で冬を越すようにします。種を蒔くタイミングの目安は、一般地の露地栽培では10月中旬から11月中旬になります。マルチは雑草を抑え、水分と肥料分を保持する働きがあるので露地栽培の場合はぜひ利用するようにしましょう。
ワンポイント 土作り
●連作障害に弱いので3〜4年エンドウを作ったことがない土を選ぶ
●元肥の目安は10㎡当たりチッソ70〜100g、リン酸100〜150g、カリ100〜150g
●栽培期間が長いのでチッソ120g程度とやや多め
●酸性土を嫌うので苦土石灰で矯正するのがポイントです。
2. 発芽
■ 苗と植え付け方法
種まき後に5日程度で芽が出てきます。
その後、本葉が2枚くらいの頃に1〜2本に間引きします。
生育のよいものを残してそのほかの株は根元をハサミで切り取ります。
ポットで育苗すると安定
マメ類は種まき後から発芽までの間、鳥による被害が多いのでポットで育苗して定植するのもよいでしょう。育苗期間が1カ月程度なので6㎝ポットにまきます。大きくなってから定植すると活着が悪くなるので、本葉3〜4枚ぐらいになったら、根鉢をくずさないように定植します。
3. 越冬と追肥
■ 越冬について
本葉2〜3枚ごろが最も耐寒性が強く、幼苗は-4℃ぐらいの低温に耐えることができますが、越冬時に生育が進みすぎると寒害を受けやすくなります。大きくなりすぎた場合はしっかり防寒対策をしてください。
エンドウは、一部の品種を除き生育初期、一定の低温にあわないと花芽ができません。
適期に種まきしたものでも、直接霜にあたると傷みやすくなるので、株の上に笹の枝やワラをかぶせて霜よけします。また寒さが厳しくなる12月下旬まで、トンネル支柱に不織布や寒冷紗をかけると防寒対策になります。冬は風が強いので、被覆資材が飛ばされないようハウスバンドなどで補強するとよいでしょう。
収穫時期の長い きぬさやエンドウは、土寄せのころ、開花期、収穫始めのころにそれぞれ1回ずつ追肥しますが、実エンドウとスナップエンドウでは、着莢肥大期に1回程度草勢を見ながら、中耕・除草・土寄せを兼ねて行います。
チッソ成分で10㎡当たり30g程度、速効性の化成肥料を追肥します。
4. 支柱立て
開花期に土壌が乾燥しすぎると、落花が増えます。収穫量を上げるためには乾燥が続く時に潅水するとよいでしょう。液肥を利用すると品質のよい実が収穫できます。
(つるなし品種では支柱は必要ありませんが、支えがあった方が安定します)
5. 整枝と誘引
■ エンドウの整枝
エンドウの着果は第1次分枝(第1回に枝分かれした枝)に多く、第2次、第3次は着果が少なく、高温期に入るのでよいサヤがつきませんので、3月下旬頃までにでた分枝(側枝)を残し、それ以降に分かれた枝や花つきの悪い枝は、誘引のときにとり除きます。
■ エンドウの誘引
日照不足によって結実不良を起こしやすくなるので、十分に光が当たるようにつるの整枝と誘引をすると受光状態がよくなります。茎は中空なので折れやすく注意が必要です。
育成適温 12~18度前後
※25℃以上になると草勢が極端に弱くなり、徐々に枯れ上がるので注意して下さい。
6. 収穫
情報提供元:タキイ種苗