【エンジンがかからない時の対処法】キャブレターのオーバーホール

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【エンジンがかからない時の対処法】キャブレターのオーバーホール

※このページでご紹介するメンテナンス情報はあくまでホームセンターバロー内での研修内容をまとめたものであり、すべての機械に共通するものではございません。

修理の際の故障に関しては責任を負いかねますので、予めご了承の上、ご利用下さいますようお願い申し上げます。

キャブレターのオーバーホール


まずは「キャブレターのオーバーホール」って何をどうするの?という説明から。

「キャブレター」とは・・・
日本語で気化器(きかき)といいます。
燃料を気化させて霧状に噴射することでエンジンに送り込む役割を持ちます。
エンジンに送り込まれる際、燃料は細かい、細いところを通っていくので根詰まりしやすい場所でもあります。

「オーバーホール」とは・・・
機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行う作業のことを言います。

エンジンがかからない原因の1つとして、キャブレター内部の異常が考えられます。
綺麗に燃料を抜いて保管していても内部の部品は徐々に劣化しますし、キャブレターの内部にもゴミが溜まってきます。

なので今回は、キャブレター内部を綺麗にするための「洗浄方法」と「キャブレター内部のパーツ(ダイヤフラム)の交換方法」をご紹介していきます。

▼このページの内容まとめは以下の動画で▼

パーツの分解

クリーナーカバーを外す

はじめに、クリーナーカバーを外します。

クリーナースポンジを外す

クリーナーカバーの内側にあるクリーナースポンジを外します。

スロットルワイヤー

次に、スロットルワイヤー(赤丸部分)を取り外します。

スロットルレバーを右に回転
スイベル(からスロットルワイヤーが外れる

スロットルレバー(扇形状の部品)を右へ回転させると、

スイベル(円形状の部品)からスロットルワイヤーが外れるので、

ワイヤーを引っ張りとる

スロットルワイヤーを引っ張り外しましょう。

チューブを外す

黄色と黒の燃料チューブをキャブレターから取り外します。

手で引っ張って取れない場合はマイナスドライバーなどを使い、上から押すようにして燃料チューブを取り外しましょう。

※取り外す際、ラジオペンチは使わないようにしましょう。チューブが硬くなっているので、無理やり挟み取ると破れてしまう可能性があります。

キャブレター

キャブレター(赤丸部分)を取り外します。

ボルトを外す

ボルト(二箇所)をまわし、本体から取り外します。

台座からキャブレターを外す

ボルトがある程度緩んだら、台座からキャブレター本体を取り出します。

ボルトは無くさないように台座につけたままで置いておきましょう。

キャブレターにパッキンも付いているので、こちらも無くさないようにしておきましょう。

プライミングポンプのネジを外す

プライミングポンプを取り外します。

ネジが4本ありますが、1本ずつ外していくのではなく対角線上に徐々に緩めながら外すと良いです。

※外したネジは紛失するとエンジンがかからなくなるので、無くさないようにしましょう。

プライミングポンプを取り外す

まずプライミングポンプを取り外します。

パージボディを取り外す

次にパージボディ(黒いプラパーツ)を取り外します。

ポンプボディとキャブボディを取り外す

ポンプボディ(右)とキャブボディ(左)を分解します。

ダイヤフラムが付いている

すると、ポンプボディとキャブボディ両方に黒いパーツがついています。

これらはダイヤフラムと呼ばれ、燃料の供給に重要な役割を持ちます。

ポンプボディに付いているのが「メタリングダイヤフラム(ゴム製)」と「ガスケット」です。

キャブボディに付いているのが「ポンプダイヤフラム(ゴム製)」と「ガスケット」です。

ガスケットとは、パッキンの役目を果たすパーツです。

メタリングダイヤフラム

ここでメタリングダイヤフラムの新しいものと古いものを比べてみましょう。

左が古いもの、右が新品です。
古いものはヨレヨレのバキバキに傷んでしまっています。これではエンジンがかかりません。

ダイヤフラムは「経年劣化」または「混合ガソリンの滞留」により傷んできてしまいます。

なので、数年に一度は交換が必要になります。

これらも洗浄後の再組み立ての際に取り替えていきます。

ダイヤフラムを取り外す

ポンプボディー・キャブボディーからダイヤフラムを取り外したら、パーツの分解作業は終了です。


パーツの洗浄

キャブレタースプレー

ポンプボディとキャブボディを洗浄していきます。

キャブレタースプレーを使います。
泡タイプとジェットスプレータイプがあるので、汚れがひどい場合は細かい隙間にもしっかり留まる泡タイプを使用しましょう。

スプレーをかける

キャブボディにスプレーし、10分ほど置いておきます。

スプレーをかける

次に、ポンプボディにスプレーします。

ポンプボディにはチューブを通す穴が二箇所あるので、そこにもスプレーします。

ニードルジェット

ポンプボディの真ん中に、燃料が通るニードルジェットという部分があるので(赤丸部分)、そこも洗浄します。

指で押すとペコペコ凹むので、抑えながらスプレーを吹きかけたあと何度か押して中を洗いましょう。

終わったらポンプボディも10分ほど置いておきます。



10分後

ウエスなどの布で拭く

ウエスなどの布を使い、擦らずポンポンと叩くようにキャブボディとポンプボディを拭きます。

これで洗浄作業は完了です。


チップソーの交換パーツの交換&再組み立てチップソーの交換

新しいダイヤフラムを使って、再組み立てをしていきます。

「キャブボディ(+ポンプダイヤフラム・ガスケット)」

「ポンプボディ(+メタリングダイヤフラム・ガスケット)」

「パージボディ(=黒いプラパーツ)」

「プライミングポンプ」
の順で組み立てていきます。

ダイヤフラム4種

ダイヤフラム4種は、ホームセンターバローにてセット販売しております。
(ポンプダイヤフラム・ガスケット・メタリングダイヤフラム・ガスケットの4種)

正しい重ね方

まずキャブボディから。

キャブボディとポンプダイヤフラムのガスケットを、全ての穴を重ねるようにはめ込みます。

ポンプダイヤフラムを重ねる

ガスケットに、ポンプダイヤフラム(ゴム製)を重ね合わせます。

こちらも全ての穴を重ねるように。

この調子で重ねる向きに気をつけながら、残りのパーツも組み合わせていきます。

ポンプボディとメタリングダイヤフラムパッキンを重ねる

ポンプダイヤフラムの上に、ポンプボディとメタリングダイヤフラムのガスケットを組み合わせます。

金属部分を内側にする

ガスケットにメタリングダイヤフラム(ゴム製)を重ねます。

ボッチがある面(金属がついている方)をニードルジェットに重ね合わせます。

正しい重ね方

こうなっていればOKです。

パージボディを乗せる

パージボディ(黒いプラパーツ)を乗せます。

プライミングポンプを乗せる

プライミングポンプを乗せます。

合体させた時に、隙間がない状態であればちゃんとはまっているということです。

ネジをはめる

ネジで止めていきます。

まずは手で均等の高さになるまでネジ4本を入れ込みます。

※無理やり押し込むとダイヤフラムのゴムが破れてしまうので、最初は指で慎重にゆっくり入れましょう。

◆ドライバーでネジを取り付ける時のコツ◆

まずはドライバーを左に回し、「コツン」と音がしたら(正しい位置にネジがある証拠)、右に回していきます。

ズレを防ぐため、外したとき同様対角線上に徐々に(半分ずつくらい)取り付けていくと良いです。

※締め込みが甘いと燃料漏れの原因となるので注意しましょう。

キャブレターをエンジンに取り付ける

キャブレターをエンジンに取り付けていきます。

まず、台座についているボルトごと、キャブレターに差し込みます。※台座と合わさるキャブレターの面を間違えないように注意しましょう。

左から「台座→キャブレター→パッキン」の順に重ねましょう。

※パッキンの表裏を間違えないように注意!

キャブレターをエンジンに取り付ける

合体させたキャブレターをエンジンに差し込みます。

左手でまっすぐに抑えながらボルトを回していきます。

ズレを防ぐため、1本ごとではなく交互に少しずつ取り付けていくと良いです。

スロットルワイヤーを差し込む

スロットルワイヤーを取り付けます。

ワイヤーをしっかりと差し込み、スイベル(円形状の部品)に引っ掛けます。

スイベルの向きを合わせる

この時、スイベル(円形状の部品)の向きが正しい方向になっているかを確かめましょう。

スロットルワイヤーをスイベルに引っ掛ける

スイベル(円形状の部品)を正しい向きにしたら、

スロットルバー(扇形状の部品)を右に少し押し、

スロットルワイヤーを引っ掛けます。

クリーナースポンジを取り付ける

最後にクリーナースポンジと、

クリーナーキャップ

クリーナーキャップを取り付けたら完了です。

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