カボチャ栽培の手引き
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※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
栽培の手引き
種からスタートした場合は「1、育苗管理」から、
苗からスタートした場合は「2、植え付け」からご覧ください。
1. 育苗管理
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カボチャの育苗期間は1ヵ月程度と短く、比較的簡単なので9~12㎝ポットにまいて育苗し、その後植え付けるとよいでしょう。
12㎝のポリ鉢の場合は、約30日の育苗日数で本葉3.5枚苗に育てます。
本葉3.5枚以上は根が鉢に回りすぎて老化苗になり、植え付け後の生育がよくないので注意します。
2. 植え付け
カボチャは、果菜類の中でも低温に耐えることができ、台木にも使われるほどです。定植時期の目安は最低気温8~10℃、最低地温12℃以上になったころです。一般地の露地栽培では4月下旬ごろ、トンネル栽培では4月上中旬ごろになります。
施肥量
元肥の量は目安として10㎡当たり成分量で、チッソ100~150g、リン酸150~200g、カリ100~150gを施用します。カボチャは吸肥力が強く、元肥が多いと「つるぼけ」をおこし、葉が大きくなって着果が悪くなるので注意します。
■ 植え付け後の管理
定植は活着を促すため晴天の午前中に行います。カボチャの仕立て方はいろいろありますが、家庭菜園では本葉4~5枚で親づるを摘芯して、子づる2~3本仕立てがよいでしょう。
プランターの場合
基本的に露地栽培と同じ手順で行います。マルチは不要です。土は野菜専用培養土をそのまま使い、1鉢に1株で植え付けます。
3. 整枝
枝整理は、下の図のように着果節までの孫づるをすべて除去し、それ以降は草勢に応じて適宜行います。着果後の側枝は原則として放っておきますが、草勢が強く、茎葉が混み合う恐れのある場合は、本葉を越えて上に出てくる側枝の先を摘芯します。
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親づる1本仕立て・・・
枝間に於ける養分の競合がないため最も着果が安定する。
抑制栽培は1本仕立てが有利。
子づる2本仕立て・・・
1本仕立てに次いで着果数が多くなる。
不良環境の条件下で3~4本仕立てより有利になる。
粉質の高い品種は、2本仕立ての方が品質のよい果実になります。
子づる3本仕立て・・・
子づる仕立ての整枝栽培では、3本仕立てまでが有利。
4本仕立て以上は、同時着果性が本数増加に応じ減少する。
プランターの場合
ここも基本露地栽培と同じ手順ですが、どうしてもスペースが限られるため、プランターを支柱で囲うように4本立て、空中栽培するのが最も簡単です。小玉なら緑のカーテンにしても良いでしょう。実は空中で出来るので、重さに耐えることが出来るよう実をネットで吊るすなど工夫が必要です。
4. 交配
受粉はハチが自然に行いますが雨の日やハチがいない時、また株元近くの雌花で雄花が少ない場合には人工交配が必要です。人工交配は、早朝ほど着果がよくなるので、遅くとも午前10時までには、受粉を済ませます。当日咲いた雄花の花弁を除去し、葯を雌花の柱頭になぞるように軽く触れさせます。この時、柱頭に花粉を均一に付着させること、強い力で柱頭に押しつけないことが大切です。
5. 収穫
●追肥の時期は着果が確実となった、「にぎりこぶし大」の時が適期で、茎葉が小さい時は、開花直前または開花期に施用します。
追肥の量は、10㎡当たり化成肥料の場合、チッソ成分で30~40gをつるの先に施します。
●うどんこ病のまん延や強風により、葉が被害を受けて果実に直射日光が当たると、日焼けやひび割れの原因になるので、わらや新聞紙をかけて果実を遮光します。
追肥の時期
マットを敷く
6. 収穫
雌花の開花交配後45~50日で完熟する。開花後の日数が分からない場合は、果梗部全体がコルク化したのを目安にします。
収穫適期前のカボチャの果梗部(未熟)縦状にコルク化が始まったところ。
収穫適期のカボチャの果梗部(完熟)コルク化が果実付近にも及んでいる。
情報提供元:タキイ種苗