ナス栽培の手引き
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※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。
栽培の手引き
基本的に接木苗での栽培を想定しています。
1. ナスの育苗
◆ ナスの育苗管理
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◆ 鉢上げ
販売されている苗は、9㎝ポット(本葉6~7枚)の若苗が多いので、12~15㎝ポットに鉢上げして1番花が開花する直前まで育苗するとよいでしょう。連作による土壌病害を防ぐため、接ぎ木苗を利用すると上作が期待できます。
◆ 植え付け時期
1番花のつぼみがふくらんで紫色に着色し始めたころが適期です。蕾の小さな若苗植え付けは過繁茂になりやすく、1番花が咲き終わっているような老化苗植え付けでは、活着不良になりやすくなります。
2. 植え付け
植え付け時期の目安は、晩霜の心配がなく最低気温10℃以上、最低地温15℃以上になったころです。一般地の露地栽培では5月上中旬ごろ、トンネル栽培では4月中下旬ごろになります。老化苗植え付けや植え傷みで活着不良になった場合は、薄めの液肥を数回あたえるか1番果を摘果して、草勢の回復を図ります。
施肥量
元肥の量は目安として10㎡当たり成分量でチッソ、リン酸、カリとも200~300gを施用します。
◆ 植え付けのポイント
活着の良否がその後の生育に大きな影響を及ぼすので、植え付けは晴天の午前中に行います。あらかじめ鉢に十分水やりしておき、植え穴にもあらかじめたっぷりと水やりしておきます。
水分と地温を確保するためにマルチを利用すると効果が高くなります。マルチングは植え付け7~10日前に行って、十分に地温を確保しておくと植え付け後、苗の根の伸張がよくなります。
プランターの場合
基本的に露地栽培と同じ手順で行います。マルチは不要です。土は野菜専用培養土をそのまま使い、1鉢に最大2株で植え付けます。
3. 仕立て方
◆ 仕立て方
◆ ホルモン処理
初期の草勢のバランスをとるためには、まず1番花を着果させることが大切です。植え付け後6月上旬までは、まだ夜温が低くて着果しにくいので、3~5番花ぐらいまではホルモン処理(トマトトーン)50倍で着果させます。1~3番果ぐらいまで順調に着果させると草勢が落ち着き、成りぐせがついて、その後はホルモン処理をしなくても着果していきます。
◆ 側枝の剪定方法
①収量重視の場合
側枝をある程度放任とし、花数を増やして収量の向上を図ります。整枝は細めの側枝を間引くように随時行いますが、梅雨明け後には過繁茂による成り疲れから、秀品率が低下しがちなので、更新剪定ないし強剪定で秋からの収穫に備えます。
②品質重視の場合(下図参照)
A. 1次側枝の1花目の先端に葉を1枚残して摘芯し、収穫の際、下の図のように主枝に近い2次側枝を1芽残して切り戻します。
B. 残した2次側枝が伸びたら同じように摘芯、収穫、切り戻しを繰り返します。こうすれば着果負担が少ないので、栽培後半まで草勢が安定し、品質のよいものが収穫できます。
◆ 誘引の例
プランターの場合
基本的に露地栽培と同じ手順で行います。支柱の立て方は色々ありますが、同時にゴーヤなどを緑のカーテンとして育て、同じネット上で誘引してしまうのも一つの手です。
追肥と水やり
[追肥] 追肥は1番果の収穫時期に、速効性の化成肥料を10㎡当たりチッソ成分で30g施します。その後は10~14日間隔を目安としますが、草勢に応じて追肥間隔を調整します。10㎡当たりチッソ成分で10gの液肥を水やり代わりに、5~10日おきに与えてもよいでしょう。
[水やり] 梅雨明け後の高温と乾燥は、ナスにとって好ましくありません。敷きワラなどをして地温の上昇とうねの乾きをやわらげるとともに、乾燥したときはうね間に水をたっぷり与えます。うね間の水やりは夕方に行い、翌朝には水がうね間にたまっていないようにします。
4. 草勢判断のポイント
5. 収穫
収穫時期は品種や大きさによって開花からの日数が異なりますが、一般的な中長ナスの場合開花から20〜25日の未熟な若い実を収穫します。熟しすぎると中の種が硬くなり、肉質も悪くなる(いわゆる「ボケナス」状態)株も疲れやすくなるので注意しましょう。そうなる前に収穫し続けることが長期間実をつけるポイントです。
更新剪定
真夏には暑さと乾燥で品質が低下しがちです。そこで、枝を切り戻して新しい枝を出させると、秋ナスの収穫をすることができます。各主枝を強い芽が残るように3分の1から2分の1の長さに切り戻します。
更新剪定は7月中旬~8月上旬までの間に行い(時期が遅くなればなるほど緩く切り戻し)、追肥と水やりを十分施すことで枝を更新させます。剪定後、半月ほどで馬力のある花が咲き、1カ月後には品質のよい秋ナスの収穫が始まります。
情報提供元:タキイ種苗