じゃがいも栽培の手引き【植え付け方法・育て方】

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初めてのじゃがいも栽培でも安心! 植え付け時期や植え付け方法・育て方を分かりやすく図解と共に解説します。
※栽培する地域や天候の状況により入荷時期・植え付け時期は多少前後します。

じゃがいも栽培の手引き

1. 種イモとイモ切り

まずは種イモを準備します。一般的に種イモは大きいほど初期生育がよく、茎数が増え、イモ数が多くなりますが、 種イモの大きさが60g以上になるとイモの収穫量に差異はなく、1片の大きさは40~60gで 十分です。これらのことから 60~120gの種イモは半分に、120~190gの種イモは3つ切りに、 190~260gの種イモは4つ切りにします。40~60gの小さい種イモはそのまま植え付けましょう!

■ 切り分けたイモの管理
切り分けたイモは2~3日風通しのよい日陰で乾かすか、草木灰じゃがいもシリカを切り口につけて、植えつけ後の腐敗を防止しましょう!

ワンポイント イモの切り方

イモの頂部(ストロンの反対側)の芽は優勢であり、目の数は頂部に多く、基部(ストロンの付け根)に 少ないので、図のように各切片に頂部の優勢な目が必ず入るように、 頂部から基部にかけて切ります。

2. 種イモの植え付け

冷涼な気候を好みますので、植え付けは晩霜害の恐れがない限り、早めに植え付けます。浅植えの方が地温上昇の影響が大きく出芽も早いですが、乾燥した畑では逆効果です。一方、深すぎると 出芽が遅れてしまいます。図のように覆土は5~6cmで、覆土後のうねは少し盛り上がる程度に、マルチ栽培では 8~10cm(土寄せができないので、厚く覆土して高うねに)を目安に行います。


ジャガイモはやや酸性気味の土(ph5.5〜6.0)を好みます。
畑など露地栽培の場合は有機肥料と苦土石灰で土作りをする際は石灰は控えめにして酸度を調整しましょう。

ベランダ菜園などプランターで栽培する場合、深さ30cm以上・容量20リットル以上の大きな物(出来れば四角いタイプ)がおすすめです。土は初心者なら野菜専用の培養土を選ぶのが良いでしょう。

ワンポイント 植え付け間隔の目安

うね幅は70~80cm、植え付けの間隔は約30cmを目安にしましょう!

3. 芽かきと土寄せ

■ 芽かき
植えつけ後、芽が出てきたら「芽かき」を行います。大き目の芽を2~3本残して、 他の芽は根元からかき取ります。


■ 土寄せ(1回目)
じゃがいもは種イモの上に芽が伸びて、その少し上からストロン(ほふく枝)がでて、その先に新しいイモができます。 従って、 土寄せ(株の根元に土を寄せてかぶせること)をしないとイモが大きくならない ばかりか、直射日光にあたって 緑色のイモになってしまいます。 1回目は芽かき後に株の根元に被せるように5cm程度行いましょう。


■ 中耕
植えつけから培土を行う間に雑草が生えてきますので、除草を兼ねて中耕を行います。そうすることで、土壌をやわらかくし、通気性がよくなり肥料の分解や根の発達を促進する効果があります。


■ 土寄せ(2回目)
芽かき後の土寄せは、出芽から約20日くらいです。土寄せすることで、根圏が拡大し、雑草が減ります。また、生理障害や緑化イモ、収穫時の傷を減らす効果もあります。地上部が30cmぐらいの 大きさになったとき、さらに10~15cm程度の土寄せを行いましょう!

うねの形は、断面がカマボコ型になるように土寄せを行います。山と谷の差が大きいほどイモの着生がよく、少なくともイモができる10cm以上の高さまで土をかぶせ、山と谷の差が20〜25cm程度になるようにします。

4. 収穫と貯蔵

■ 収穫
茎葉が半分以上枯れたころ、イモの表面が固くなってから土壌が乾燥している晴天の日に収穫します。土壌成分が多いと腐りやすいので注意します。 掘りおこし後は、半日程度天日で乾かしてから拾い集めます。イモの表面を乾かすことは、付着している菌を殺菌・防除するためにも有効です。春作では、出芽後80〜100日で収穫できます。

ワンポイント イモの貯蔵法

風通しの良い日陰(暗所)で、5℃前後で貯蔵すると萌芽が少なくなります。イモを重ねて保存したり、袋などに入れて密封状態にすると酸欠状態になり、腐敗する原因となるので注意しましょう。

情報提供元:タキイ種苗

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